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皆さんこんにちは!
有限会社古庄工業、更新担当の中西です。
さて今回は
造船配管工事とは、船舶の内部に張り巡らされた膨大な配管を設計・製作・取り付ける仕事である。船は単なる鋼鉄の塊ではなく、無数のパイプによって生命を保っている。燃料、冷却水、潤滑油、海水、空気、消火水、バラスト水、生活用水など、あらゆる流体がこれらの配管を通って流れる。言い換えれば、船舶の配管とは“血管”であり、そこに生命線が通っているのだ。
造船業における配管工事は、溶接・曲げ加工・据付・試験といった複数の工程から成り立つ。新造船では数千本にも及ぶ配管が施工され、1本でも誤りがあれば船の運航に支障をきたす。つまり、造船配管工事は「正確さ」と「耐久性」が絶対条件の職域である。
船舶にはおおまかに次のような配管系統が存在する。
主機系統配管:主機関(エンジン)を冷却し、潤滑油や燃料を供給する。
補機系統配管:発電機やポンプ、空気圧縮機などの補助機器を支える。
居住系統配管:乗組員の生活用水、排水、空調、衛生設備などを担う。
安全系統配管:消火装置、スプリンクラー、バラスト、非常排水など、緊急時に機能する。
それぞれの系統は、圧力・温度・材質・口径が異なり、設計段階から専門知識が求められる。
造船で使われる配管材は、炭素鋼、ステンレス鋼、銅合金、アルミニウム合金などが中心である。使用箇所によって耐腐食性や強度が異なるため、材質選定は慎重に行われる。
配管の加工では、パイプベンダーによる曲げ加工、端部の面取り、溶接前の開先加工、フランジ取り付けなどの精密作業が求められる。一本のパイプを曲げる角度が数度違うだけで、全体のラインが狂うこともある。
造船では、船体ブロックごとに分けて配管を取り付ける「ブロック工法」が一般的である。配管班は、設計図に基づき、限られた空間にパイプを立体的に配置していく。機関室のような狭い場所では、既設の機器やケーブルとの干渉を避けながら、ミリ単位で配管を通す必要がある。
完成後は耐圧試験・漏洩試験を実施し、気密性を確認する。水圧試験では数十気圧の圧力をかけ、漏れがないかを厳重に検査する。
造船配管は、完成後にはほとんど見えない部分に隠れてしまう。しかし、そこに通る流体こそが船の命を動かしている。造船配管工は、見えないところで“海を支える仕事”をしているのである。
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