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皆さんこんにちは!
有限会社古庄工業、更新担当の中西です。
さて今回は
造船配管の現場は、まさに「精度との戦い」である。数百メートルに及ぶ配管が複雑に絡み合う船内で、誤差を最小限に抑える技術こそが職人の力量を示す。
造船では、設計図面(P&ID、アイソメ図)をもとに作業を行うが、実際の現場では他工種との干渉やブロック溶接による寸法変形などが生じる。そのため、図面通りに配管を加工しても現場では“合わない”ことがある。
経験豊富な職人は、こうした誤差を現場で読み取り、切断位置やフランジ角度を微調整して対応する。この「現場調整力」が造船配管工の真骨頂である。
造船配管における溶接は、手溶接(アーク溶接、TIG溶接)、自動溶接、半自動溶接など多岐にわたる。特に高圧ラインや燃料配管では、溶け込みの深さや均一性が厳しく管理される。
完成後には非破壊検査(X線検査、超音波探傷試験)が行われ、内部に気孔や割れがないかを確認する。わずかな欠陥も許されず、品質基準を満たさなければ再溶接となる。
溶接技術者は、国家資格(JIS Z 3801)や船級協会の認定を受けて作業する。熟練者になるには、数年に及ぶ現場経験と技術訓練が必要である。
船内の配管ルートは、限られた空間を最大限に活かすために立体的に組まれている。上下左右、さらには斜め方向に配管を通すことも多く、取り付け順序を間違えると他の配管と干渉してしまう。
そのため、配管班は施工順序を入念に計画し、先行・後行の工程を調整しながら作業を進める。特に主機室・ボイラー室・冷却水ラインでは、複数の班が同時に作業するため、高度な連携が求められる。
近年では、3Dスキャニングやレーザー測定が導入され、現場の寸法取りがデジタル化されている。これにより、手測りでは難しかった複雑な空間の採寸が正確に行えるようになり、加工誤差の削減につながっている。
造船配管の現場は、熟練の技術と最新のデジタルが融合する“精密工学の世界”である。
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