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月別アーカイブ: 2025年4月

第6回造船配管雑学講座

皆さんこんにちは!
有限会社古庄工業、更新担当の中西です。

本日は第3回船舶配管メンテナンス講座!
テーマ:緊急時トラブルシューティングと迅速復旧のポイント

万が一、航行中に配管トラブルが発生した場合、初動対応の速さが被害の拡大を防ぎ、安全運航の鍵を握ります。今回は、漏れや破損が起きた際の緊急対応手順と、応急修理で役立つ装備・材料選びのポイントをご紹介します。


1. 初動対応の基本ステップ

  1. 緊急停止と影響範囲の特定

    • 問題箇所の流体供給を即座に停止し、バルブ操作で影響範囲を最小化。

    • 漏れや破損部位を目視・触診で確認し、被害拡大を防ぎます。

  2. 安全確保と船内連絡

    • 漏れ液が燃料や油圧油の場合、火災・滑倒リスクが高まるため、速やかに消火器・吸油マットを準備。

    • 船橋および機関室へ状況報告し、必要な人員と資材を手配します。

  3. 応急封じ込め(Containment)

    • 漏れ箇所に耐油性パテやシールテープを巻きつけ、一時的に密閉。

    • 小口径配管はクランプ式緊急修理キット、大口径はバンドクランプで素早く封じます。


2. 応急修理で必要な装備・材料

装備/材料 用途
耐油性エポキシパテ 小さな亀裂・ピンホールの一時封止
緊急用クランプ(バンド式) 大口径配管の一時的な締め付け・封じ込め
シールテープ(PTFE製) 継手部やねじ込み部の一時的シール
吸油マット・吸油パッド 漏れた油の拡散防止と船内清掃用
携帯用圧力計 応急後の圧力回復状況を確認
可搬型エアコンプレッサー 配管内の異物飛ばし・エアフラッシング

3. 応急対応後のフォローアップ

  1. 詳細点検と恒久修理計画

    • 応急封じ込め後、必ずドックまたは寄港地で肉厚検査・溶接部検査を実施し、恒久修理のスケジュールを立案。

  2. トラブル原因の分析

    • 腐食、振動疲労、施工不良など原因を究明し、再発防止策(防食処理強化、振動吸収対策など)を講じます。

  3. 記録とナレッジ共有

    • トラブル内容、対応手順、使用資材を記録し、次回以降の船舶配管保全マニュアルに反映。船員・整備員への教育資料として活用します。


次回予告:最新技術で進化する海洋配管検査法

次回は「非破壊検査(NDT)とロボティクスによる次世代検査技術」をテーマに、水中ロボットや超音波検査の最新事例をご紹介します。ぜひお楽しみに!


以上、第3回船舶配管メンテナンス講座でした!
次回の第4回もぜひご覧ください。


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第5回造船配管雑学講座

皆さんこんにちは!
有限会社古庄工業、更新担当の中西です。

本日は第2回船舶配管メンテナンス講座!
テーマ:予防保全とモニタリング技術で未然にトラブルを防ぐ

前回は基本的なメンテナンス方法をご紹介しましたが、今回は「トラブルが起こる前に」配管の状態を把握し、長期的な安定運用を実現する最新の予防保全技術とモニタリング手法について解説します。


1. センサーによるリアルタイム監視

1-1. 振動センサー

配管やポンプに取り付ける振動センサーで異常振動を検出。早期に不具合兆候をキャッチし、計画外の停止を防ぎます。

1-2. 温度・圧力センサー

高温部や高圧部にセンサーを配置し、常時データを収集。基準値からの逸脱をアラート化し、腐食や漏れの初期段階で対応が可能です。


2. データ解析による劣化予測

2-1. 傾向分析

センサーデータを長期的に蓄積し、AI/機械学習で異常傾向を解析。肉厚減少やシール劣化の進行速度を予測し、最適な交換時期を算出します。

2-2. 故障モード予測(FMEA)

過去の故障履歴と運航条件を組み合わせ、どの部位がどのような条件で故障しやすいかを可視化。重点的な点検ポイントが明確になります。


3. デジタルツインによる仮想試験

3-1. 配管システムのデジタルモデル

3D CADデータをもとに仮想環境を構築。実際の運転条件をシミュレーションし、応力集中や腐食リスクを事前評価します。

3-2. メンテナンスシナリオの検証

複数のメンテナンス手順や交換スケジュールをデジタルツイン上で試験し、最もコスト効率の良い計画を策定できます。


4. モバイルアプリ/クラウド連携

4-1. 点検レポートのペーパーレス化

タブレット端末で点検結果をその場で入力し、クラウドに即時アップロード。報告書作成の手間を大幅に削減します。

4-2. 遠隔監視と通知機能

本社や管理部門からでも船舶の配管状態をリアルタイムで確認可能。異常発生時には自動で担当者へ通知が届き、迅速な対応を支援します。


次回予告:緊急時トラブルシューティングと迅速復旧のポイント

次回は「緊急時のトラブル対応」をテーマに、漏れ発生や破損時の初動対策、応急修理の手順と装備選定について詳しく解説します。お楽しみに!


以上、第2回船舶配管メンテナンス講座でした!
次回の第3回もぜひご覧ください。


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