オフィシャルブログ

第2回造船配管雑学講座

このエントリーをはてなブックマークに追加
Bookmark this on Livedoor Clip
Bookmark this on Yahoo Bookmark
LINEで送る

皆さんこんにちは!
有限会社古庄工業、更新担当の中西です。

本日は第2回造船配管雑学講座!

今回は、造船配管の具体的な施工プロセスについてです

 

前回は 造船配管の基本と重要性 についてお話ししました。

今回は、造船配管がどのように施工されるのか、その具体的なプロセスについて解説します。

船舶の配管は、設計から施工、試験までの一連の流れを慎重に進める必要があり、適切な工法を選択することで 安全性と耐久性を確保 できます。

 

1. 造船配管の施工プロセス
造船配管の施工は、以下のような流れで進められます。

設計と計画立案
材料の選定と加工
仮組みと溶接作業
設置と固定
試験と検査
完成・仕上げ作業
それぞれのステップを詳しく見ていきましょう。

 

2. 施工の詳細プロセス
① 設計と計画立案
配管の施工を行う前に、船の設計に基づいて配管ルートや仕様を決定 します。

流体の種類(燃料・水・空気など)に応じた配管設計を行う
配管の直径や材質を決定し、耐圧・耐熱条件を満たすか確認する
メンテナンスや修理がしやすい配置を検討する

この段階で シミュレーションを行い、最適な配管ルートを決める ことが重要です。

 

② 材料の選定と加工
設計が完了したら、実際に配管を作るための材料を選び、加工を行います。

耐食性や強度を考慮し、適切な素材(ステンレス鋼・銅合金・炭素鋼など)を選定
必要な長さにパイプを切断し、継手やバルブを取り付ける準備をする
パイプの曲げ加工を施し、設計図通りの形状を作る

 

③ 仮組みと溶接作業
配管を実際に設置する前に、仮組みを行い、設計通りに組み立てられるかを確認します。

配管の位置や接続部を確認し、仮止め作業を行う
溶接を行い、各部品をしっかりと固定する
内部の圧力を考慮しながら、接合部分の強度を確保する

溶接作業は 特殊な技術が必要で、職人が手作業で慎重に行う ことが一般的です。

 

④ 設置と固定
仮組みが完了したら、船の構造に合わせて配管を取り付けていきます。

船のフレームや壁に沿って配管を固定
振動や衝撃を受けても影響を受けにくいように、固定金具を適切に配置
バルブやフィルターなどの部品を取り付け、流体がスムーズに流れるよう調整

この工程では、船の動きや温度変化に対応できるように設計する ことが重要です。

 

⑤ 試験と検査
設置が完了したら、配管の安全性を確認するために試験を行います。

耐圧試験 → 高圧の流体を流し、漏れや亀裂がないか確認
耐熱試験 → 高温の環境下で配管が正常に機能するかテスト
流体試験 → 実際に水や燃料を流し、動作確認を行う

試験に合格しない場合は 修正作業を行い、問題を完全に解決 してから次の工程に進みます。

 

⑥ 完成・仕上げ作業
最終検査が完了したら、仕上げ作業を行い、配管の施工が完了します。

塗装や防錆処理を施し、長期間の耐久性を確保
ラベルや識別タグを取り付け、配管の種類や使用目的を明確化
最終確認を行い、船舶全体のシステムと連携して正常に動作するか確認

この工程を経て、ようやく船舶の配管システムが完成します。

 

3. まとめ
造船配管の施工は 設計から仕上げまでのすべての工程が安全性に直結する重要な作業 です。

設計段階で最適なルートと仕様を決定する
適切な材料を選び、精密な加工を行う
溶接や固定作業を慎重に進め、耐久性を確保する
試験を徹底し、安全性を完全に確認した上で仕上げを行う

 

配管が適切に施工されることで、船舶の運航が安全かつスムーズに行える ようになります。

次回は 「造船配管に使用される材料とその特性」 について詳しく解説します。

どのような配管材料が使われ、それぞれの特徴は何かを詳しくご紹介しますので、お楽しみに。
以上、第2回造船配管雑学講座でした!

次回の第3回もお楽しみに!

 

有限会社古庄工業では、一緒に働いてくださる仲間を募集中です!

私たちが採用において最も大切にしているのは、「人柄」です。

ぜひ求人情報ページをご覧ください。皆さまのご応募を心よりお待ちしております!

詳しくはこちら!

 

pkljganbnchielpk.jpg