オフィシャルブログ

日別アーカイブ: 2025年4月21日

第6回造船配管雑学講座

皆さんこんにちは!
有限会社古庄工業、更新担当の中西です。

本日は第3回船舶配管メンテナンス講座!
テーマ:緊急時トラブルシューティングと迅速復旧のポイント

万が一、航行中に配管トラブルが発生した場合、初動対応の速さが被害の拡大を防ぎ、安全運航の鍵を握ります。今回は、漏れや破損が起きた際の緊急対応手順と、応急修理で役立つ装備・材料選びのポイントをご紹介します。


1. 初動対応の基本ステップ

  1. 緊急停止と影響範囲の特定

    • 問題箇所の流体供給を即座に停止し、バルブ操作で影響範囲を最小化。

    • 漏れや破損部位を目視・触診で確認し、被害拡大を防ぎます。

  2. 安全確保と船内連絡

    • 漏れ液が燃料や油圧油の場合、火災・滑倒リスクが高まるため、速やかに消火器・吸油マットを準備。

    • 船橋および機関室へ状況報告し、必要な人員と資材を手配します。

  3. 応急封じ込め(Containment)

    • 漏れ箇所に耐油性パテやシールテープを巻きつけ、一時的に密閉。

    • 小口径配管はクランプ式緊急修理キット、大口径はバンドクランプで素早く封じます。


2. 応急修理で必要な装備・材料

装備/材料 用途
耐油性エポキシパテ 小さな亀裂・ピンホールの一時封止
緊急用クランプ(バンド式) 大口径配管の一時的な締め付け・封じ込め
シールテープ(PTFE製) 継手部やねじ込み部の一時的シール
吸油マット・吸油パッド 漏れた油の拡散防止と船内清掃用
携帯用圧力計 応急後の圧力回復状況を確認
可搬型エアコンプレッサー 配管内の異物飛ばし・エアフラッシング

3. 応急対応後のフォローアップ

  1. 詳細点検と恒久修理計画

    • 応急封じ込め後、必ずドックまたは寄港地で肉厚検査・溶接部検査を実施し、恒久修理のスケジュールを立案。

  2. トラブル原因の分析

    • 腐食、振動疲労、施工不良など原因を究明し、再発防止策(防食処理強化、振動吸収対策など)を講じます。

  3. 記録とナレッジ共有

    • トラブル内容、対応手順、使用資材を記録し、次回以降の船舶配管保全マニュアルに反映。船員・整備員への教育資料として活用します。


次回予告:最新技術で進化する海洋配管検査法

次回は「非破壊検査(NDT)とロボティクスによる次世代検査技術」をテーマに、水中ロボットや超音波検査の最新事例をご紹介します。ぜひお楽しみに!


以上、第3回船舶配管メンテナンス講座でした!
次回の第4回もぜひご覧ください。


有限会社古庄工業では、一緒に船舶の安全運航を支える仲間を募集中です!
「人柄」を最重視する採用方針で、未経験の方も大歓迎。
詳しくは求人情報ページをご覧ください。皆さまのご応募を心よりお待ちしております!

詳しくはこちら!

 

pkljganbnchielpk.jpg